断熱を知るHEAT INSULATION
日本の家の3分の2は、
夏暑く、冬寒い。
「省エネ」のために家を建てるという人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
でも住まい手1 万1 千人を対象に行われた住宅に関する不満調査のトップ3は、
1 位/暑い…28.0%
2 位/寒い…27.3%
3 位/結露…15.0%
と室内環境に関する不満が占めていました。
この結果から、ほとんどの方がまず真っ先に実現したいことは「冬暖かく結露せず、夏涼しい家」ということが読み取れます。
実際、日本では国が断熱レベルの推奨値をもうけていますが、残念ながら無断熱・低断熱の家がほとんど。
夏暑く、冬寒い家が日本の家の3分の2を占めています。
断熱とは動かない
空気の層をつくること
熱の出入りが
最も多いのは「窓」
冬に流出する熱の割合は、アルミ窓(複層ガラス)から樹脂(Low-E 複層ガラス)に変えることで、52%から20%へ約6 割も削減できます。家の性能は、効果の大きい窓の性能から考え始めましょう。
【熱の流入出比率】解析No:00033
- 使用ソフト : AE-Sim / Heat (建築の温熱環境シミュレーションプログラム ) / ( 株 ) 建築環境ソリューションズ
- 気象データ :「 拡張アメダス気象データ」2010年版 標準年/(一社)日本建築学会
- 住宅モデル:2階建て/延床面積120.08m²/開口部面積32.2m²(4 ~ 8地域)「2013年省エネル ギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解説II 住宅」標準住戸のプラン
- 躯体:2016年省エネルギー基準レベル相当
- 窓種:アルミサッシ(複層ガラスA8未満)
健康被害は、断熱に関係あり?
家が寒いと体にさまざまな影響を及ぼします。血圧が上がったり、血行不良によりってコリや関節痛、神経痛を誘発することも。 免疫力も低下するので、感染症などの病気にかかりやすくなってしまいます。また、肌の乾燥やかゆみを防ごうと加湿しても、 空気中の水蒸気が窓に冷やされて結露に変わります。結露した水分が壁の中に侵入してカビが発生すると、アレルギーやぜんそくの原因になるので注意が必要です。
各種疾患の改善率と転居した住宅の断熱性能との関係
この表は右へ行くほど断熱性能がたかいことを表しています。脳血管疾患や、心疾患のように生死に関わることだけでなく、
老若男女が日常的に経験する軽い疾患においても、断熱性能が良い家に引っ越すと症状が改善する人の割合が増えていきます。
このように、年のうちで最も長い期間を占める冬の室温をいかに暖かくするかは、日常の健康から生死に至るまで多岐にわたって影響を与えます。
断熱性能を高めて家を暖かくすることで、肌の乾燥を防ぎ血行も良くなります。皮膚のかゆみ、風邪、腰痛などの症状が軽減するという事例も多くあります。
断熱グレードと家の燃費のはなし
家の燃費ってなんでしょうか?
クルマの燃費はみなさん気になると思いますが、家の燃費を気にしたことはありますか?
家は家全体で使用するエネルギーの1/3を暖房が占めるため、暖房に関する燃費は光熱費に直結します。
また冷房よりも暖房は10倍のコストがかかることは実はあまり知られていないかもしれません。
断熱性能と室温・冷暖房費の関係
このグラフは築45年の建物を断熱等級6にリノベーションした場合のシミュレーションの結果を表しています。
リノベーション前はリビング・ダイニングが8度まで下がっていますが、リノベーション後は16.4度に保たれる結果となりました。
また、右側のグラフの通り、冷暖房費もリノベーションの前後で約4割ほど削減できるのです。
出典:性能向上リノベの会
建築の温熱環境シミュレーションプログラム(AE-Sim/Heat)・エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版)
Ver2.5.4によるシミュレーション結果。(省エネ基準地域区分:6地域)